Staff Column
クラフトビールの醸造家になる-Part2 -設計と機材
物件は手に入れました。
善は急げ。
この時点で、2021年の4月。着実に前進している、という満足感はありつつ、もはや後には引けません。
こういうときタイミングは重なるもので、とある外資系の映像ポータル会社からヘッドハンティングの連絡をもらっちゃったりして、『ウッ!』と一瞬迷いました。ビデオミーティングで面接もやって、「I’m happy」と一言いえば採用、な事態に。年収も悪くないぞ。
でもな……。採用される部署は、企画開発ではなく予算管理の部署ってことで。採用後、部署の変更はあるのか?と訊ねると、それはない、との回答。
またあの予算管理をやるのか、同じことの繰り返しじゃんか……。プロデューサーとして今後、なにをやりたいの?と悩んだ末に、「No, thank you」って返事しちゃったんです。
だって物件、手に入れちゃったし、さ……。
腹を括った瞬間は、物件を手に入れた時ではなく、「No, thank you」の瞬間だったわけです。
さて、本題。
古い中華屋をフルリノベーションするのに、一体、予算はいくらかかるのか?しかも1階と2階両方あります。
また予算管理してる!という事態ですが、ここは自分のオリジナル企画です。ちょっと楽しい。
物件を仲介してくれた不動産屋に設計で良き人はいないか相談したところ、ある設計会社を紹介いただきました。
さっそく物件を見てもらって、大雑把なプランをA、B、Cといただきました。
「それで、このプランで改装工事したらいくらかかります?」と質問したら、ご予算、ざっくり1000万円〜2000万円とのこと。
ざっくりしすぎだろ!
あまりに不安になり、業者系に頼むのはまずい、と方向転換。
人の繋がりはありがたいもので、三茶のバスケサークル絡みで、設計をやってるという柴山さんとお知り合いになってた縁もあり、お友達価格で引き受けていただくことに。
同時期に、醸造機械を購入するプロセスもスタートしました。
ドイツのSPEIDEL社の機器を一式購入する上で、U田さんという方が適任である、という師匠のお言葉を受け、柴山さんと共にお会いすることになりました。
画像のお値段は2025年現在のものです。
私が購入した時(2021年)は、もっと円が強かったのでこれほど高くはありませんでしたが、現在の通貨価値で換算すると約280万円です。
発酵タンクは4台購入することにしました。現在の通貨価値換算で約80万円の4台分。
単純に麦芽生成工程と発酵タンクだけのお値段でTOTAL 600万円になります。これらにプラスして、冷却用のチラーや外付けポンプ、付属のアクセサリーなどを追加していくとプラス100万円は覚悟するイメージですね。
このほか、入管の際に支払う消費税、倉庫保管料、運搬費用などが追加で発生します。
で、ですね。このお買い物にあたり、U田さんはSPEIDELの機材を数回日本に輸入するための手続きを経験しているとのことで、SPEIDEL社との窓口になっていただくことになりました。
ネットで購入できそうな様子ですが、日本へは発送してないとのことで、どこか代理店的なものが必要だという説明だったんですね。
U田さんは面倒見が良いし、おすすめ、という師匠の優しい助言に従ってお願いしたは良いのですが、この方が曲者で。
醸造免許を取得するのも相談に乗ってくれるということを信じて、それら総合のコンサルタント料として購入価格の20%をお支払いするという契約を結んだのですが、結果、『このおじいさん、醸造のことはなんもわかってねぇ!』というお方だったのです。
ー続くー