Staff Column

クラフトビールの醸造家になる-Part3-Let’s go 税務署

国税庁の酒類製造免許関係によると、酒類を製造するには、製造しようとする酒類の品目ごとに醸造場の所在地を管轄する税務署の認可を受ける必要があります。
はて……?
ざっくり酒類免許って、醸造しようとする「人」に免許を与えるものだと思ってましたが、免許は「場所」に与えられるものなんだということを、修行を始めてから知りました。
だったら、「ノマド醸造家」でも良かったかも……と思ったりもしましたが、ともあれ、免許を取らないと始まりません。

まずは、税務署へ免許に必要な書類はどのようなものか、ヒヤリングに行くことにしました。
税務署のお酒の担当官は管轄ごとに在席しているわけではなく、管轄に隣接する1つの税務署が複数の税務署をまとめて面倒を見るスタイルでして、渋谷区にあるアワーデイズは品川区の税務署がおまとめ役になっています。

2021年4月、品川税務署のお酒の担当官と初対面しました。
……意外にソフトかつ、フレンドリー。
この時、前回登場したU田さんに同席いただいたのですが、税務官への私の質問を全部U田さんが刈り取って答えてしまうので、ちょっと黙ってて!と思った次第。
過去に免許の相談に乗った経験がお有りだからか、私の質問は分かりきったことだったかもしれませんが、これから向き合っていくのは目の前の税務官であってU田さんではない。
そんなこともあって、この日以降、U田さんには免許関連からは退場いただくことにしました。
コンサルタント料、高くついたな……。

免許要件には、以下の書類が必要です。

・酒類製造免許申請書:国税庁のホームページからダウンロードできます。
・製造場の住所を証明するもの:不動産登記法による「公図」なるものが必要です。
・製造場の敷地の状況:図面が必要です。
・建物の配置とか製造設備の配置を示す図面:実際に醸造できるね!と確認できる内容が必要です。
 例:空きケグ置き場や作業スペースを明記
・製造方法:1仕込みごとに作成。液種によって製造方法が違う場合必要です。言うなれば、レシピと製造工程を記したものです。
・製造場の設備一式を示す一覧表:これが細かい。必要なものを仔細漏らさず書いてないと突っ込まれます。
・製造設備の申告書:タンクの容量やらリットルごとの深さ(mm単位)も明記(マジすか?)
・事業目論見書:原材料の仕入れ値なども調べないと作れません。
・収支・支出見込み:年間の売上見込みの根拠として、何社かから「ここのお酒買います」という誓約書をもらいました(Thank you!)
・酒類の販売管理に関する取り組み計画書:保健所のHACCPに類するもの。
・製造責任者の履歴書とどこで誰に研修してもらったかを証明するもの:師匠のプロフィールと、研修項目を細かく書いたチェック表作りました。
・酒税を滞納したときに差し出す担保があります的な誓約書
・納税証明書
・過去3年間の決算書
などなど……。

参考に、国税庁でダウンロードできる申請書類のチェック表のリンクを貼ります。
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/kansetsu/050825/pdf/01/CC1-5102-2_1.pdf

かなり痺れる書類の山々!
アワーデイズは法人名義で申請したので、決算書類も求められました。
法人の場合、直近の決算で繰越損失が資本などの額を超えていないこと、資本などの額に対して20%を超える当期純損失を直近3期連続で計上していないこと、も免許要件に入ります。
1年でも黒字決算してればセーフ!という状況でしたので、弊社の場合は、2021年度の申請がチャンスでした。
黒字決算できてるタイミングを逃したら次はないというタイミングだったのです。

長くなってきたので、続きは次回!
                               ー続くー