Staff Column
クラフトビールの醸造家になる-Part6-店舗改装その3-大工工程


北側の壁を取っ払い、奥に見えたトイレも外して、位置を変更します。
トイレの床は長年に渡り、お小水が滴ったところの臭いが染み付いて、解体時は真面目に臭かったです。
殿方の皆様、お小水も座ってしてくださいね。
さて、2階の天井を剥がしたところ、素晴らしい木材の梁が出ました。
工事を簡単に済ますなら、床とフラットに仕上げるのが得策でしょうけれど、設計のS山さんが「梁、見せたいですね〜」という一言に、さすがM浦さん。
「やりましょう」と快諾。
『結構、大変なのでは……?』という心配をよそに、断熱材を入れ、斜めになってる部分に合わせて天井板を支える「野縁(のぶち)」を精巧につくっていきます。
天井板を張ったら、釘を打ったところと板同士の間にパテを塗っていきます。ここは私担当。
このパテ作業をサボると、塗装して綺麗に仕上げたはずの天井や壁に、後々亀裂が入ってひび割れができると聞いたので、そこは必死にやりました。
しかししんどいぞ。


2階と同時進行で1階は醸造場にするための部屋にコンクリートを敷きます。
元々の床は中華料理でギトギトに汚れていたこと、なおかつ、水道の配管をやり直すことにしたので床を全面ハツリます。

バラした床に鉄骨を入れて、新しくコンクリートを敷き、プロの左官職人が丁寧に仕上げていきます。
床のセンターに設置した排水溝に水が集まるように絶妙な勾配をつけるのだそう。
完全な水平より絶対難しいと思われますが、「東洋一の左官」と言われるだけあって、目だけで見当をつける「目けん」で仕上げていきます。

左官職人になる人が少ないと嘆く親方ですが、この技術が承継されていくことを願うばかりです。
醸造場については、醸造機材がドイツから届くまでに仕上げておかなければなりませんでした。
せめて床でも、いや、そもそも壊した外壁を作っておかないとまずい……!
そんなこんなで突貫作業をしていただいたおかげで何とか間に合い、無事、搬入の日を迎えました。


床と外壁は整ってますが、内装の壁と天井はこれからです。
この機材たちを設置できる日は、まだ少し先になりそうです。
ー続くー