Staff Column

クラフトビールの醸造家になる-Part8-日本の規格と外国製は違う-その2

トランスが入りました。
電気技師の方が、通電状況を確認しています。
ここまできたら一安心。
技師の方にトランスを接続してもらって、あとはコンセントを繋いで機械を作動、と思っていましたがそんな簡単なことではありませんでした。

前回の記事で赤いコンセントアダプターをお見せしましたが、電気技師の方も、なぜ爪が5本あるのか、謎だそうで……。
さらに、そのコンセントアダプターと本機側の接続口とも噛み合わないため、ケーブルを繋ぐことさえできない、という事態に。
さすが外国製……。ドイツのものだから安心、なことはなかったわけです。

結局、電気技師がどうにかケーブルアダプターを用意してくれて、無事に電源と接続することができました。

この白いボックスの中がどうなっているのか、もはやわかりません。

さらに、発酵タンクに取り付けるアクセサリー関連一式についても、謎な部分が多くありました。

発酵タンクは下位置に2つ口が開いていて、 左側の画像にあるバルブで液体の出し入れを制御します。
4タンク購入したので、同じバルブが2個ずつ計8個ないといけないのに、8つ目のバルブが赤枠のものになっていました。
タンク側もオスねじなので、赤枠のバルブだとオス同士になり、繋ぐことができません。
炭酸ガス放出バルブも同様に、4つ同じものがあれば良いのに、なぜか形が違うものが梱包されていました。

そもそも初めて見るものばかりなので、何が正解なのか自分では確信が持てない状況です。
こうした事故を防ぐためにも、コンサルタントに入ってもらったのに、内容物を全く確認しないものなのか……といささか落胆しました。

これから何かを始めようとされる皆様。
相談役を買って出る人について、何をどこまで本気で取り組んでくれるのか、見極めることを強くお勧めします。
初めてのことだから誰かに相談したくなるのは当然ですが、「これをやりました」という実績があっても、どこからどこまでをやったのかを確認する必要は絶対必要だと思います。

こうしたすったもんだの上に、さらに難問が。
タンクに接続するためのビール用ホースは、『DIN』というドイツの規格に基づいた接続継手です。

画像は、マッシュタンクと発酵タンクを繋いで麦汁を移送する際に用いるホースです。
金属部分がメスねじになっており、バルブのオスねじに繋ぎます。
しかし!
テストしてみた結果、液体が漏れます。
微妙にパッキンが合ってなくてどれだけ強く締めても漏れます。
これでは、せっかく作った麦汁がボタボタ漏れて勿体無いことになる……。
その上、めっちゃホースが硬いし重い。
筋肉モリモリのバイキングのような方なら使いこなせるかもしれませんが、ひ弱な私にはとても無理。
それなりに日本人女性よりはガタイは良い方ですが、握力がどれだけあっても無理!!

これはまずいです。
で、対応策として『ヘルール』というガスケット(パッキン)を挟んでクランプバンドで固定する継手を使うことにしました。

画像のように、ヘルールという継手を使えば、大抵のものは自在につなぐことができる優れものです。
これをバルブのおネジに接続して『DIN』を『ヘルール』という継手に変え、さらにホースの先にヘルール継手をつければ、それぞれをつなぐことができると考えました。

ところがです。
バルブのネジのサイズは1インチ。
そして、「平行ネジ」ときました。
ご存知の方はなんて事のない規格でしょうが、ど素人にはこの重大さが分かってなかったのです。

                    ー続くー